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検定試験は、合格自体を目的にしない

2021-09-21

Hello again, Naoです!

今回は、レプトン生が定期的に受けている「検定試験」についてお話したいと思います。


●英語力の“健康診断”として検定試験を実施

検定試験というと、英語教室や塾の中には、対策のための特別授業を行ったり、一夜漬けで単語を丸暗記させたりなど、「なにがなんでも絶対に合格させる!」と、合格という結果だけにこだわった指導をされるところもあるようですね。

私たちのレプトン教室では、『JET』(ジュニア・イングリッシュ・テスト)を年に3回、対象の生徒さん全員に受けてもらっていますが、英語力の“健康診断”として、子どもたちが日ごろの学習でどれだけ実力がついたのかを、出題の偏りや採点に手加減がない外部試験で、客観的に測定する機会だと捉えています。

検定試験に合格することは、たしかに子どもたちの大きな励みになります。一方で、たとえばJETは1級から10級までの10段階で合否判定されますが、3回連続で同じ級の合格にとどまったり、順調に各級に合格し続け、さらに中学卒業レベルの英検®3級にも合格したのに、最上級のJET 1級(※中学3年生~高校生レベル;英検®準2級相当の難易度)の壁に何度もぶつかったりなど、なかなか思い通りの結果にならない生徒さんもいらっしゃいます。

でも、うまくいかなかったときこそ、これまでの勉強のやり方を見直したり、試験結果で明らかになった語いや読解といった苦手分野を強化したりするなど、子どもたちがより積極的に英語学習に取り組むように変われる、気づきや成長のチャンスだと私たちは考えています。

また、私たちの教室では、早い子は幼稚園の年長さんからJET受検を開始しますが、そもそも試験というものに慣れておらず、マークシートのぬり間違えなどもあって、同じ級の合格が続くこともあります。それでも、私たちも保護者さんも、そして生徒さんご本人も、あまり結果は気にしていません(笑)。時間が解決してくれる問題ですから。


●合格自体を目的と考えていませんか?

しかし、保護者さんの中には、「合格や進級こそがすべて」と、検定試験に合格すること自体が受検の目的だと考えてしまい、合格・不合格という結果だけを見て、お子さんのこれまでの努力や頑張りのすべてを否定してしまう方が時々いらっしゃいます。

たとえば、小学6年生のAさんの保護者さんから、「お友達はみんな上の級に合格してどんどん先に進んでいるのに、うちの子はJETで同じ級の合格ばかり。ようやく5級に上がったけれど、なかなか成果が感じられないので、ほかの教室に移ることを検討しています」と、厳しいご意見をいただいたことがありました。

ところが、Aさんが直近のJETで一気に3級(※中学2~3年生レベル)に合格すると、保護者さんはとても喜ばれ、「本人のペースで、急がずにゆっくりと学習させたい」とおっしゃってくださいました。マイペースな性格のAさんとお友達を比べるのをやめたことで、「目先の結果は気にならなくなったから」だそうです。英語力は、学習時間に比例して伸びていきます。ほかのお子さんより多少進度が遅くとも、あせる必要はありません。学習し続ければ、いずれ同じレベルに到達します。


●お子さんに過度なプレッシャーをかけていませんか?

検定試験でもっと良くないのは、保護者さんの過度な期待が、お子さんへの大きなプレッシャーとなり、英語学習への自信・やる気そのものをそいでしまうことです。

先日、レッスン終了後に、小学3年生のBさんと、次回のJET受検のことで少し話をしました。BさんはこれまでJETを4回受検し、一つずつ順調に合格・進級してきました。でも、次のJETでは、前回と同じ級になってしまうかもしれないという不安から、受検をためらっていたのです。

実は、Bさんの保護者さんはとても厳しい方で、特にJETについては、「受検するたびに、より上の級に合格するのが当たり前」と考えておられ、そのことがBさんには過度なプレッシャーになっていました。頑張って合格しても、それが当然と思っている保護者さんにはほめてもらえず、自分の英語力にずっと自信が持てなかったのです。

ですから、面談の最初に、「確実に英語力が上がっていることは、レッスンを見ていてわかるよ!」とほめたところ、Bさんはとてもうれしそうでした。さらに、「もし同じ級になったとしても、JETを受け続けることで結果は出るし、力もつくから、安心してのぞんで」と伝えると、やっとBさんは受検に前向きになりました。そして、励ましの効果があったのか、前回よりも上の級に見事合格しました!


●もっとも効果的な“対策”とは?

JETや英検®などの検定試験の日が近づいてくると、複数の保護者さんから“対策”の方法について質問をいただくことがあります。その際には、「お子さんが過去問を解いたり単語を覚えたりするのをサポートするよりも、まず、ここまでに至ったお子さんの努力や頑張りを、大げさなぐらいにほめてあげてください! やる気が倍増しますから! それが、検定試験に向けての一番の対策です」と、私たちはお答えしています。


●目標までどれだけ近づけたかを示すのが検定試験の役割

みなさんご存じのとおり、英語習得には何年もの時間がかかります。JET受検に関しても、小学校低学年からレプトンに通い始めた生徒さんが「中学生になってようやく、最上級のJET 1級に合格できた」という話はめずらしくありません。学習を継続していくためには、モチベーションの維持がとても重要です。

この英語学習の長い道のりの中で、自分の目標にどれだけ近づけたかを示す“道しるべ”が、JETや英検®などの検定試験です。ですから、合否結果に一喜一憂せず、お子さんの努力の積み重ねや成果をしっかりと認め、少しずつ成長していく姿をあたたかく見守ってあげてください!

※写真はイメージです。

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